Xの表示アルゴリズムをご存知だろうか?

現在、あの巨大なプラットフォームにおいて、僕たちの発する言葉がどれだけの人に届くかは、冷徹な計算式によって支配されている。その計算式が最も重視するのは「エンゲージメント」だ。イイネ、リプライ、リポストといった目に見えるリアクションを獲得できなければ、そのポストはシステムから「価値がない」と判断され、濁流のようなタイムラインの底へと沈んでいく。

ここで最も恐ろしいのは、ただ静かに投稿を読んでくれているフォロワーが受ける扱いだ。かつてのインターネットには、ただ見守り、心の中で楽しんでくれるだけの穏やかな繋がりが確かに存在した。僕たちのようなゲーム制作者にとって「静かに開発の進捗を見守ってくれる人」は決して無価値ではない。しかし、今のXのアルゴリズムはそれを許さない。フォロワーからのリアクションがない投稿は、「フォロワーですら無視するつまらないコンテンツである」という負のシグナルとして評価されるからだ。

つまり、ただ静かに応援してくれているその人たちが、無価値どころか、僕たちのポストの表示回数を削り取る「マイナスの存在」へと貶められてしまうのである。

この歪んだ構造を正確に理解した時、僕の中に激しい怒りが湧き上がった。

なぜ、僕たちとプレイヤー、あるいはクリエイター同士の繋がりの価値を、一企業のアルゴリズムに勝手に格付けされなければならないのか。なぜ、静かに見守ってくれるフォロワーを、システム上の「足手まとい」のように感じさせるような設計を受け入れなければならないのか。

数字を稼ぐための過剰なリアクションの応酬ばかりが溢れる空間。そこでは、地道な開発の記録や、作品への静かな情熱はノイズとして駆逐されていく。評価されること、数字を集めることだけが「正解」とされるこの息苦しいゲームに、これ以上付き合う気には到底なれなかった。

だから僕は、Xからの脱却を決意した。
アルゴリズムの奴隷になり下がるくらいなら、自分自身の手で、古き良きインターネットの空気を持った「クリエイターのための居場所」を創り出せばいい。

そうして生まれたのが、クリエイターのためのSNS『L'aboratelière(ラボラトリエール)』だ。

この場所は、タイムラインに言葉を流し去るだけの場所ではない。制作者自身がポートフォリオを持ち、これまでの軌跡をしっかりと蓄積できる。そして、開発中のモックアップからリリース直前のタイトルまで、自身の作品を堂々とプレスリリースできる機能も備えている。バズるかどうかではなく、作品としての「価値」を、それを求める人に直接届けられるサービスだ。

僕たちが掲げるスローガンは、こうだ。

あなたの発言を表示アルゴリズムしないSNS。
ここにあるのは、数字ではなく会話です。

ここでは、機械があなたの価値を決めることはない。リアクションを強要する見えない圧力もない。ただ時系列に言葉や作品が並び、読みたい人が読み、語り合いたい人が語り合う自由が保証されている。僕たちの言葉や作品の価値は、決してアルゴリズムになど決めさせない。僕たち自身で決めるのだ。

2026年8月14日 怒りを原動力に、開発スタート。

次回は、このSNSの外側の話をする。インディーゲーム情報メディアを立ち上げるまでの、僕一人では乗り越えられなかった壁と、そこに現れた助っ人の話だ。